2019年5月13日(月)
羊毛と幼児
小さな赤ちゃんが何かをじっと見つめています。そのとき、ただ見ているだけなのではなくて、見ているものに入り込んで、もの自体が自分になっているような感覚。幼児期、子どもたちの感覚は、大人とは全く違っているのだということを、よく考えてあげる必要があります。
大人がしゃべっているのをじっと聞いている子供が、大人が話す事をシャドゥイングしていることがよくあります。聞いていて、同時に語られている音声の中に入り込んでしまって、自分が語っているのか、他者が語っているのかわからないくらいの感覚。
小さいときは私たちも持っていたその活き活きした感覚に思いを馳せるとき、幼児の周りでどのようなことが行われ、どのようなものが存在するとよいか、探ってみる事ができます。
繊細な感覚には強すぎる色、音、行為が、今の時代、溢れ返っています。ふくよかでデリケートな感覚にとって、実際それらはひどく攻撃的、また扇動的に作用します。子供たちはどんどん舞い上がって行きます。そして強い刺激によって、感覚は閉じ、鈍感になってしまいます。
繊細な感覚に、やさしく、やわらかな色、音、行為で働きかけるとき、子供は落ち着いた安らぎを取り戻します。微妙な色合いや美しく小さな音やお母さんの愛に満ちた語りかけを受け取り、味わう事で、内面が開き、刺激を受け取ろうとします。
羊毛も、そんなやわらかな子供の感覚に適した素材です。お母さんが羊毛から作る簡単なおもちゃを、子供は本当に喜び、愛します。
そして、シンプルなものほど、子供の想像の力は膨らみます。
【今日の手仕事】 羊毛の動物
【手遊び1】 小さなお魚が すーいすーい泳いでいます
はねて もぐって パシャパシャ
はねて もぐって パシャパシャ
すーいすーい泳いでいます
【手遊び2】 子ウサギひとりで 散歩に出たよ
小川に気付かずに ポンと落ちた
小川はどんどん 流れていくよ
くるくるまわってる 水車小屋へ
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