【2019.9.1】 『人を育てることばー絵本を通してー』
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松井るり子先生のお話から始まった、今回の子育てお話会。
まずはお隣の方との自己紹介からはじまりました。
小さなこどもたちや赤ちゃんたちの存在も、皆さんの距離を近くしてくれて会場はあたたかな空気に包まれていたように感じます。
そんな中、先生はたくさんの絵本を一冊一冊手に取り、ページをめくり、読み聞かせながらその絵本から読みとれることを分かりやすくお話してくださいました。
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私には小3の娘と年中さんの息子がいるのですが、二人に挟まれて試行錯誤な子育ての真っ最中です。 先生のあたたかで、それでいて芯のある言葉たちは、私のこころに響き、何度もはっとさせられ、時には笑ったり、ジーンとしたり。
母としてこうしないといけないと思うけど、本当にそれでいいのかな、と迷っていたことや、何となくこうしてあげたい、何となくこれとは距離を置きたい、という漠然とした考え・気持ちへの答えがちりばめられていました。
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印象に残ったお話をいくつかご紹介させてください。
・『かわいがってほしい気持ちの器』は、一人ひとり違うもの。 大切なのは、‘平等‘という言葉にとらわれ過ぎず、必要としている子ときちんと向き合ってあげること。 (しっかり受け取り、満たされたその子は、今度はそれを周りへと届けようとする)
・『機嫌をよくする方法』をきちんと伝授してあげることは、ご機嫌取り=甘やかしではなく、人生をご機嫌に重ねていくためにも大切なことである、ということ。 (赤ちゃんはみんなにあやされ、ご機嫌をとってもらいながら日々過ごす。
やがて、自分自身で機嫌が取れるようになっていく)
・そして、その子のことを本当に大事に想い、一生懸命考えてしてあげたことは、
その子にとってはプラスに作用する、ということ。 (たとえそれが一般的に間違いと言われるようなことであっても!)
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私にとっては、そのどれもがずっと探していた問いへの答えでした。 あっち、こっちと悩みながら何とか進んでいたけれど、そこに向かえばいいんだよ、という方向を優しく示していただけたように感じて。
とても心強く感じました。
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最後に、絵本の選び方について。
こどもが好きそうだからときらきらかわいく面白おかしい絵本を選ぶのではなく、
今まで培ってきた自分の審美眼で絵本を選び、読み聞かせてあげてください、
という言葉も印象的でした。
その魅力はすぐには伝わらないかもだけれど、本物のもつ奥深さや美しさは、
時間をかけて伝わるもの。 こどもが振り向かないから、、、と距離を置くのではなく、
これからもどんどん母おすすめの絵本をこども達に届けていこうと思います。
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続いての朝比奈先生は、とてもパワフルでユーモアにあふれ、私も出産でお世話になりたかった!と思うような、自宅出産の豊かさ、すばらしさを語ってくださいました。
そして、ご自身の体験から得たことや、日本や世界のお産の現状・問題なども聞くうちに、子供が生まれてからの、
たとえば何を食べさせ、おもちゃはどんなものがおススメで、というような情報はあふれているのに、その原点とも言えるお産についての情報や選択肢は、昔からあまり進歩しておらず、それを知ろうともせず、そこに疑問すら持っていなかった自分に、いまさらながら気付きました。
幸い、姉がいたので良い産院に恵まれ、出産に不満もなくいたのですが、
それは本当に恵まれていて、幸せなことだということも再確認できました。
女性は(もちろん男性も)もっと自分自身の体のことを知るべきだし、知る努力をするべき、という先生の言葉。
知ろうとしないから、疑問すら持たず、されるがままの出産を迎えたり、医療を受けることにもなるということも、言われてみれば当たり前なのに、ちゃんと意識を向けていなかったなと気付きました。
それはそのままわが子にも言えることであり、生きていくことすべてに通じるように思います。
母として、あたたかさな優しさも、凛とした強さも、どちらも大切です。 るり子先生、朝比奈先生は、それら両方をしなやかに、自然と身に着けてらっしゃるのだなと感じました。
気づきあふれる豊かなお話、本当にありがとうございました! しっかり心に刻んで、これからの日々も大切に重ねていきたいと思います。
先生方、ご参加くださったみなさま、ほんとうに ありがとうざいました!
【在園母・N】
松井るり子さんが再話された「ナイチンゲール」「おやゆびひめ」が出版されています。
カンタン・グレバンの絵もとても素敵です。
ぜひ手にお取りくださいませ。
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