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執筆者の写真こども園そら

2019年度 親子クラスのしおり 6

2019年 11月4日(振替休日)


お母さんのお腹から、新しい世界へ


 お母さんのお腹の中から生まれてくるとき、赤ちゃんは、狭い産道を通って来ます。

今まで水の中にふんわり浮かんでいた体が、急にぎゅうぎゅう締め付けられて押し出されます。それは、初めての自己体験。


一体だったお母さんの体とさよならするとき、赤ちゃんは、自分とお母さんの体の境目を、無意識に強く体験します。そして初めて晒される外の世界。

何かに直接触られる体験、空気の冷たさ、寝かされるベッドの固さ。

今までの温かいお母さんのお腹からやっと頑張って出てきたところで、次々とやってくる

強烈な刺激に、赤ちゃんはどんなにびっくりすることでしょう。


 赤ちゃんが最初に体験する触覚は、最も根源的な感覚とも言えるでしょう。

全ての外界との境目に存在しています。例えば視覚にしても、実は視線でものに触れていると考える事ができます。目で触っているわけです。

     


 いつもクラスでしている親子遊びは、基本的にはお子さんに触れてもらう遊びです。

いろいろな触れ方や揺れ方を体験して、お子さんは自分の体を体験します。

お子さんによって、感覚の発達には差がありますので、お子さんが「今何を感じているかな」と、赤ちゃんの体験に寄り添って、発達を見てあげてください。


 最近、過敏なお子さんが増えていることが問題になっています。

過敏ならば、そっと触ってあげたいところですが、実はそっと触られる事で、

過敏なお子さんは、却って不快感を持つことも多いそうです。


    ♪せんたくごしごし洗いましょう

      ギューっと絞って  干しましょう・・・♪


 このような遊びのときも、しっかりギューッと体をつかんであげてください。

けれども、勿論、お母さんの愛をもって、大切に触ってあげてください。

しっかりギューッと、でも荒くならないように、です。



 過敏すぎると、お腹を床につけるのを好まず、あまりズリ這いをしない傾向があります。ハイハイは、子どもの発達にとって、とても大切なもの。

なるべくズリ這いからハイハイまで、しっかりやってくれるのがよいので、少し意識してお子さんを見てみてください。

サポートすればできるようなら、それはとてもよいことだと思います。


生まれたばかりは、なるべく床に寝転ばせて(勿論、あぶないものをどけて、安全に動ける空間を確保)、存分に自らの動きを開拓させてあげてください。

決してお子さん自らの発達を先取りして、安定していない首をサポートする椅子に座らせてしまうなどをせず、お子さんが自ら首をしっかり立て、寝返りを獲得し、ずり這いを始めるまで、じっくりつきあってあげてください。


 もしかして、ハイハイを飛ばして大きくなってしまった場合、あとからでも遊びにうまく取り入れて、もう一度ハイハイを体験させてあげられると良いそうです。


 また、根源的感覚である、触覚体験の充実のため、少し工夫をしてあげるとよいでしょう。園では、いろいろな素材の違いを体験してもらえるよう、例えば積み木にしても、

種類の違う木を意識的に使っています。

パンの日は、一緒にパンをこねます。こねると、生地の質感がどんどん変わっていくのですが、子どもたちは、「ムチムチになってきた~!」と、変化をよく感じ取ります。

食事も、なるべくいろいろな素材の味や食感を体験できるように、意識しています。

嫌いなものも、少しだけ食べてみるということをしてもらいます。


 こうして、いろいろなものを感覚し、受け入れられることは、大人になってから、自分と違うものを受け入れる力、他者を認める心の力になっていくと考えられています。

違いに反感を感じるか、面白いと感じるかで、人生はとても違ったものになることでしょう。



★★★★★★★★★★★★★

11月、園では子どもたちと提灯祭りをします。


日が短くなって、段々暗く、寒くなってくるこれからの時期に、

心の中に、明るい灯火が耀くよう、願いをこめて行うお祭りです。


それは、自らの人生を導く灯明


それぞれの人が、この世に生を受けたときに彼岸より持ってきた光

みなさまの心にも、どうぞたくさんの光が宿りますように・・



【手しごと】 蜜蝋ろうそくづくり

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