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  • 執筆者の写真こども園そら

2019年度 親子クラスのしおり 7

2020年 1月20日


そらのお誕生会


シュタイナー園ではどこでも、お誕生日(会)をとても大切にしています。


それは、どの人間も、世界の中にただ一人しかいない、かけがえのない存在であり、

この地上にそれぞれの課題を持って、宇宙の中から降りてきたという人智学的人間観が

基盤にあります。

一人ひとりの人間の存在を大事にする思いが、一人ひとりの人間の、この世に生まれてきた記念日を大事にすることに繋がりますし、一人ひとり祝ってもらう事で、子どもたちも、

人間の尊厳を無意識の中に受け取ることでしょう。


 ですので、お誕生会は、一人ひとり、なるべくお誕生日当日に祝われますが、

休日と重なっていたり、ご家庭の事情で、お誕生日に近い日に設定されることもあります。


以下は、現在、そらで行っているお誕生会の様子です。

(それぞれの園によって、具体的なお祝いの仕方は違います。)



 朝、お誕生の子どもはお母さん、あるいは家族で登園してきます。

ほかの子どもたちは、お誕生の子どもに渡すお花を家から用意してきていて、お誕生の子が登園して来ると、「おめでとう!」を言ったり、自分が持ってきた花を見せたりする姿があります。

お誕生日の子は、嬉し、恥ずかしといった複雑な表情で、親御さんの後ろに何となく隠れがちだったり・・・。

それからみんな一緒に保育室に入り、内遊びの時間、親御さんは、「園のお手伝い」をしながら保育見学。お父さんの場合、よく「積み木作り(木工)」のお仕事をしていただくのですが、これを見るのが子どもたちは大好きです。

ずっとお父さんののこぎり作業に見入って、時々手伝わせてもらっています。

(そして、何故か木屑を集めるのが大好き。ちょっともこぼれないよう、それは丁寧に、熱心に集めます)


 内遊びが終わり、お片づけとお掃除をしたら、いよいよお誕生会。

お誕生日の子どもは、親御さんと離れて金の冠を被り、天使役の子どもと一緒に座ります。ろうそくを灯して鐘が鳴り、会が始まります。

  

 初め、お誕生の子どもは天使と一緒に天の金のお城に居て、太陽、月、星の家で働いていたけれど、地球で働こうと決めて、天使に告げるというお話を聞きます。

それから、生まれて来る子は、天使と一緒に宇宙の旅に出かけて行きます。

宇宙を旅しながら段々地球に近づくにつれ、生まれるべき家庭の様子を空から見ています。そしていよいよ生まれるとき、天使が「大丈夫。私がここで見ていて上げましょう。この火を持ってお行きなさい。あなたの進む道を照らしてくれるでしょう。」とろうそくを手渡され、地上の親御さんのところに門をくぐって生まれて行きます。


 以上のストーリーを、お話や、簡単なライゲンで表現して体験します。

このストーリーは、恣意的に創作されたものではなく、事実に基づくように意図しています。

人智学では、実際、子どもは宇宙(霊界と言ってもよいのですが)から生まれてくる。

そして、各人間には霊的な助け(より高い自己、ハイヤーセルフ)が無意識の中に沈んでいて、各々の行く方向を示してくれていると理解されます。

これが、最後の天使の言葉となって、「よりどころは常に無意識のうちにある」。

仏教で「自灯明」と言っているところかと思いますが、そのメッセージにつながります。


 お誕生会の中で、子どもたちは、お誕生の子が生まれてきたときの様子や、育ってきたときの様子を親御さんそれぞれの言葉で聞きます。

このお話を、子どもたちは意外なくらい、とてもよく聞きます。

いつも遊んでいる仲間が、大変な思いをして生まれてきた話や、お父さん、お母さんが、

どんなにその子がやってきてくれたことを喜んでいるかというお話を聴くことで、当人以外の子どもたちも、「愛されている」という思いに包まれるのだと思います。


 そして、親御さんにとっても、この時間は特別なようです。

改めて、わが子が生まれて来るときのことをしみじみと思い出して、胸が熱くなったということを、よく伺います。


 生まれて来るということは、本当にものすごい縁が繋がって為されることですね。

教師としても、そのことをいつも感じさせていただき、今、目の前にいるこの子どもたちをお預かりするということの深遠な意味に、毎回思いを深くさせられる体験です。



【手しごと】織り

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